2013年度俳句部会
2013年12月の俳句部会
師走を迎えた 12月11日(水)部会を開催しました。
10:00に片瀬江ノ島駅に集合、青空の下、江の島へ吟行を
しました。初冬の句材を求めて各々7句を苦吟しました。
午後、鵠沼公民館にて句会を開き、7句互選、本井英
先生(S50文•博了)の講評を頂きました。
先生から、季題を上手に選び季題に語らせることが
大切である、というお話がありました。
終了後、忘年会を開き、さらに親睦を深めました。
出席•投句とも13名。
●本井先生のご投句
蜑路地の細き空へと雪ばんば |
枯木縛(ばく)す豆電球を憎みけり |
島径に日ざしちらちら早椿 |
喘息のやうに鳴く栗鼠冬木立 |
枯蔦に主流傍流末流を |
落飾といふことのあり島に冬 |
毛糸帽庇なければ眩しきよ |
●部員の代表作(50音順)
裸木を透かして見ゆる陽の港 |
安部和範 |
集ひつつ吟行納め冬の島 |
大崎洋一 |
島空にメタセコイヤの紅葉す |
河相光子 |
蜑路地の奥の奥まで冬日差す |
上坂秀治 |
裸木になりゆく銀杏神さびて |
佐藤月子 |
島陰の日暮れ早しよ薮椿 |
津田祥子 |
冬ざれや戸閉めの並ぶ釣の宿 |
萩原ふみを |
西浦の墓地は海桐花に花八手 |
馬場英人 |
光る眼の闇降るさま鹿ならむ |
深谷むじゅん |
江の島を巡りてよりの納め句座 |
宮田公子 |
枯芝に土竜の小山新しき |
望月明子 |
冬凪に貝焼く匂ひ島の中 |
吉水淑浩 |
江ノ島の空に径あり小鳥来る |
脇坂恵三 |
1 月 8日(水)13 : 00 ~ 鵠沼公民館にて句会、兼題「寒の内」「竜の玉」を含め
7句投句終了、新年会(自由参加)
2 月12日(水)13 : 00 ~ 鵠沼公民館にて句会、7句投句
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江ノ島 | で | 吟行 | 鵠沼公民館で句会 |
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鵠沼公民館で句会 | 忘年会 | 忘年会 |
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2013年11月の俳句部会
11月7日 (木)が立冬であり、今年も冬を迎えました。13日(水)に
鵠沼公民館にて定例部会を開きました。
晩秋、初冬の句をそれぞれ 7句出句し、7句互選しました。
ご指導の本井英先生(S50文•博了)から、客観写生をする「花鳥諷詠」
に上達するには、 ”たくさん俳句を詠むこと” そして ”長生きすること”
という印象的なお話がありました。 投句 14名、出席 13名でした。
●本井先生のご投句
滝水やひとはづみしてばらけ散り |
錦秋の女滝よろしと仰ぐなる |
やすらうてやすらうて墜つ女滝とて |
観瀑や膝に秋日をあたゝかく |
はがれ落ちまたはがれ落ち滝の水 |
ぬつと立ちあらはれたるが男滝とぞ |
仰ぐこと止め滝音につゝまるゝ |
●部員の代表作(50音順)
風去るや落葉集めし水溜り |
安部和範 |
丸き背の草抜く老夫冬日差し |
小澤喜久子 |
稻架高く農夫は低く忙しく |
大崎洋一 |
北向の観音堂に散りもみじ |
河相光子 |
コンテナ船通ふ水道小春かな |
上坂秀治 |
紅葉の山を背に百地蔵 |
佐藤月子 |
秋耕の土紫に日を待てる |
津田祥子 |
子ら描きし壁画に日差し冬ぬくし |
萩原ふみを |
団栗を踏みつけてゆく山の路 |
馬場英人 |
八重一重さざんかの咲く谷戸日和 |
宮田公子 |
「あき」と呼ぶ人居なくなる秋の暮 |
望月明子 |
ひとまわりしてくる散歩月今宵 |
山下ひろ子 |
庭石の間に一つ石蕗の花 |
吉水淑浩 |
秋さやか靴音高く旅に出る |
脇坂恵三 |
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2013年10月の俳句部会
秋暑し、を戻り超して夏日になってしまった10月9日(水)に鵠沼
公民館にて今月の部会を開きました。
「鹿」「夜寒」の兼題を含め各自7句を出句、7句を互選しました。
本井英先生(S50文•博了)からご指導を戴きましたが、「--の」や
「--に」を使うときには上下とのつながりをよく考えること、など
基礎的な事項のお話をうかがいました。 投句、出席とも14名でした。
●本井先生のご投句
夜寒の灯遠く一列島泊り |
遠まきに鹿の見てゐるお弁当 |
夜寒さの貨物列車の音遠く |
スナックのユキも幸子も夜寒の扉 |
閘門の照らされてゐる夜寒かな |
掌のたどるは鹿の背骨なる |
神鹿として薄闇に軒下に |
●部員の代表作(50音順)
ライト浴び鹿知床の闇に消ゆ |
安部和範 |
飛火野やゆつくり歩む鹿に会ふ |
小澤喜久子 |
透明な風が吹き抜け山粧ふ |
大崎洋一 |
外燈のポツンポツンと夜寒かな |
河相光子 |
天高し六島浮かぶ伊豆の海 |
上坂秀治 |
廚の灯消して夜寒と思ひけり |
津田祥子 |
参詣の信者に優し秋日和 |
長澤 澄 |
仕舞ひ客送り出されし夜寒かな |
萩原ふみを |
目の覚めてひとりと知りぬ夜寒かな |
馬場英人 |
学食のカレー甘口秋日和 |
宮田公子 |
たちまちに喉を痛めし夜寒かな |
望月明子 |
学生寮古りて青柿たわわなり |
山下ひろ子 |
金木犀地に落ちなおも黄色くて |
吉水淑浩 |
二次会の帰りの途の夜寒かな |
脇坂恵三 |
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2013年9月の俳句部会
多少、残暑の治まった 9月11日(水)今月の部会を開きました。
10 : 00に片瀬江ノ島駅に集合し、江の島へ吟行をしました。
午前中、
句材を求めて島を巡り、午後、鵠沼公民館で句会を開きました。
各自、7句出句、7句選。参加部員は15名でした。
指導を戴いている本井英先生(S50 文•博了)から、「俳句は素直
に作ること、意匠を凝らさないこと。意匠とは読み手にこう読んで
ほしい、という意味です」というお話がありました。
●本井先生のご投句
岸釣の竿の長きぞ頼母しき |
鶺鴒の躍り上りて餌を捉ふ |
島径も高みにかゝり葛の花 |
島径のどこ歩いても葛散れる |
爺二人猴(ましら)のごとく根に釣れる |
章魚釣の親爺根釣に立ちまじり |
忘れ潮にも蜻蛉の来ては産み |
●部員の代表作(50音順)
欄干にしばし凭れて秋の川 |
安部和範 |
濃紺の沖立つ風の爽かさ |
大崎洋一 |
海風に乗りて花葛匂ひたつ |
河相光子 |
吹きあがる潮風に揺れ葛の花 |
上坂秀治 |
葛の花吊りて揺めく秋気かな |
佐藤月子 |
秋の蝶バッチのやうにとまりけり |
津田祥子 |
新涼の風吹き抜ける山二つ |
長澤 澄 |
入念に網の手入れや秋の潮 |
萩原ふみを |
蜑露地のねそべる猫に秋の風 |
馬場英人 |
曇天の相模の海や秋の風 |
深谷むじゅん |
朝の雨あがりて島の新松子 |
宮田公子 |
そそり立つ稲葉山城夏盛り |
望月明子 |
秋霖の江の島の空低く深く |
山下ひろ子 |
雨しずく草の実一つはね返し |
吉水淑浩 |
雲の峰沖のヨットを呑まんとす |
脇坂恵三 |
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2013年8月の俳句部会
一週間前に立秋が過ぎましたが、まだまだ残暑のきびしい 8月14日(水)の
午後、鵠沼公民館で定例句会を開きました。 各自 7句出句、7句選句。
ご指導の本井英先生(S50文•博了)から「他の人の句の読解力を養うように、
くれぐれも選句を疎かにしないように」というお話がありました。
出席14名、出句 15名。終了後、暑気払いを行い、さらに懇親を深めました。
●本井先生のご投句
百日紅咲くや薬玉割るるやう |
あと二つ旅の計画法師蝉 |
島裏ははや新涼の風通ふ |
涼風に耳朶ほうほうと鳴りどほし |
夏潮に石鯛釣の綸ささり |
つぎつぎと枸杞が咲きては磯の丘 |
昨夜咲いてゐましたと花烏瓜 |
●部員の代表作(50音順)
夏草に段段畑埋もれをり |
安部和範 |
亡妹の蟬になり来て話しをり |
小澤喜久子 |
紫の珠つらつらに千日草 |
大崎洋一 |
旅枕カウベルの音土用波 |
河相光子 |
立秋の朝を知らせて鳶の笛 |
上坂秀治 |
溽暑なほ道ゆく人の無表情 |
佐藤月子 |
ペダル緩めて浜木綿の香の中を |
津田祥子 |
門火焚き孫に曽祖を教へけり |
長澤 澄 |
定まらぬ少女の進路ソーダ水 |
萩原ふみを |
炎帝に喰わせたき物カキ氷 |
馬場英人 |
水鉢にこぼれて白し百日白 |
深谷むじゅん |
廃校となりて幾年蟬しぐれ |
宮田公子 |
風鈴がちりんと鳴りて母恋し |
望月明子 |
雲の峰車座で喰ぶ黒たまご |
山下ひろ子 |
鮮やかな色も一日木槿かな |
吉水淑浩 |
籐椅子は富士に向つて置いてあり |
脇坂恵三 |
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2013年7月の俳句部会
梅雨が明けると同時に、炎帝の怒りに触れている 7月10日(水)
10 : 00に集合、江の島へ吟行をしました。午後、鵠沼公民館にて
句会を開き、それぞれ7句出句7句選をしました。
本井英先生(S50文•博了)からご指導を受けましたが、
「物を見て見えた通りに句にすること、五七五のリズム感を大切に
すること」など句作の基本につきお話がありました。出句出席とも15名。
●本井先生のご投句
炎帝に見つめられゐる歩みかな |
島宮のことし巳年の御大祭 |
島山の空の青青筋揚羽 |
若きらに隣りて老の氷水 |
思案顔つくりゐる間の団扇かな |
海風のゆたかの冷し中華かな |
麦藁帽ことしの日焼け加へそむ |
●部員の代表作(50音順)
ほの暗き岩の滴り島の道 |
安部和範 |
石段を登り切れたる汗嬉し |
小澤喜久子 |
山梔子の香り天空漂ひぬ |
大崎洋一 |
吹き上がる潮風涼し鳶の笛 |
上坂秀治 |
海風に交じる蝉の音山二つ |
佐藤月子 |
宅配のかけのぼる磴夏薊 |
津田祥子 |
我好む昔ながらの眞桑瓜 |
長澤 澄 |
風鈴や開け放たれし釣の宿 |
萩原ふみを |
螢とぶ辺りが水辺なりしかな |
馬場英人 |
蜑道をぬけて夏潮風の吹く |
深谷むじゅん |
片蔭の深きところを猫も人も |
宮田公子 |
夏木立箱根権現鎮れり |
望月明子 |
登りきて茅の輪に続く長い列 |
山下ひろ子 |
夏霞島にとけ込む日傘かな |
吉水淑浩 |
野良猫の日陰をたどる暑さかな |
脇坂恵三 |
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2013年6月の俳句部会
梅雨空の 6月12日(水)午後、鵠沼公民館にて定例句会を開きました。
今月は兼題の「短夜」「蛇」を含めて、各自 7句を出句し7句を互選し
ました。
指導を戴いている本井英先生(S50文•博了)から、「俳句に味を付け
ようと狙うと、味が濃くなり過ぎて成功しない。高浜虚子の説く花鳥諷詠
に徹することが大切である」という句作の基本につきお話がありました。
出句16名、出席15名。
●本井先生のご投句
檄文を草し了はれば明易し |
畦径に出合つてしまひ蛇と猫 |
揚々と鳶くちなはをぶら下げて |
鴉三羽青大将を血まつりに |
蛇に生まれ蛇の運命の朝迎ふ |
千度喰らひ一度喰らはれ蛇終る |
酔醒の水を呷れば夜は短か |
●部員の代表作(50音順)
日が暮れて水撒きを待つ庭の下駄 |
安部和範 |
蛇怖し抜け殻怖し疎開の子 |
小澤喜久子 |
芦の湖の卯の花腐し赤鳥居 |
大崎洋一 |
人気なきアパートの角枇杷たわわ |
河相光子 |
鶏小屋の騒がしきかな青大将 |
上坂秀治 |
鎧戸の向かふ短夜明けてをり |
津田祥子 |
仰ぎ見て黄金に光る棕櫚の花 |
長澤 澄 |
宴果て蛇籠の飾り旅の膳 |
中村智三 |
黴の香も店主も親し古書舗なり |
萩原ふみを |
明易し海への路は凛として |
馬場英人 |
河骨に仄明るみて甕の内 |
深谷むじゅん |
賑わひて一坪農園茄子の花 |
宮田公子 |
朝刊のバイクの音や明け易し |
望月明子 |
日蔭好き端つこが好き十薬の花 |
山下ひろ子 |
梅雨晴れ間川底の石渇きをり |
吉水淑浩 |
万緑や草まみれなる牛の鼻 |
脇坂恵三 |
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2013年5月の俳句部会
三日前に立夏を迎えた 5月8日(水)午後、鵠沼公民館にて
定例の句会を開きました。7句出句、7句互選をしました。
本井英先生(S50文・博了)から懇切な指導を戴きました。
「季語を沢山知っていることが肝心です。例えば、植物の
種類を多く知っていると、それだけ句を広く深く理解でき
ます」というお話がありました。 出句15名、出席12名。
●本井先生のご投句
石楠や雪折をまぬかれて咲く |
桐の花かな見えそめて近づきて |
鐘楼の肩の高さに大でまり |
雑然と生ひ出しなかの萩若葉 |
膝に蛇浄土庭園見て座せば |
金魚の朱滲んでをりぬ藤垂るる |
奈良まちはなべて早起きつばくらめ |
●部員の代表作(50音順)
故郷想ひ一人夕餉の浅蜊汁 |
安部和範 |
葛切りの冷たさ癒す花疲れ |
小澤喜久子 |
一斉に目指す青空若緑 |
大崎洋一 |
梅の実のおとがい丸く五月晴 |
河相光子 |
夏立ちぬ富士の登山も計画す |
上坂秀治 |
父は粒母は味噌なり柏餅 |
佐藤月子 |
砂路地は海へ近道罌栗坊主 |
津田祥子 |
葉桜に人影寂し花見茶屋 |
長澤 澄 |
子の焼きしケーキの卓に薔薇薫る |
萩原ふみを |
奢莪咲いて人も疎らな城の跡 |
馬場英人 |
空淡し辛夷は白し丘のまち |
深谷むじゅん |
掘りたての筍ならべ小商ひ |
宮田公子 |
筍の茹でる香充つる厨かな |
山下ひろ子 |
門口に薔薇ほころびて書翰受 |
吉水淑浩 |
花筏想いを乗せて引地川 |
脇坂恵三 |
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2013年4月の俳句部会
桜の時期は過ぎましたが、春たけなわの 4月10日(水)に
江の島の吟行と鵠沼公民館の句会を行いました。定例の通り
7句出句、7句互選をしました。
本井英先生(S50文・博了)に親切なご指導を戴きました。
先生のお話の中で、「頭の中に出て来る言葉をそのまま句
にすることである。よい香りのする言葉を意識的に使おうと
すると臭い句になる。 また、俳句には意味だけでなく、
リズム感も大切である」という指摘がありました。
出句 16名、出席15名。
●本井先生のご投句
爪はぢきしながら松の花といふ |
蜑路地の空の狭さをつばくらめ |
浦島草綸を大きくかりかざし |
島崖にへばり地獄の釜の蓋 |
貝殻の擢れ合ふ音に囀れる |
ひそかにも青木の花の盛りなる |
小判草いとけなけれどそのかたち |
●部員の代表作(50音順)
行き摺りに会釈嬉しき島の春 |
小澤喜久子 |
ほの暗き苔を褥に落椿 |
大崎洋一 |
岩はだに黄けまん群れて花明り |
河相光子 |
行く春や島への橋の工事中 |
上坂秀治 |
クローバに寝て江ノ島の空広し |
佐藤月子 |
崖下にひやと小暗く著莪の花 |
津田祥子 |
囀りのかまびすしさや山二つ |
長澤 澄 |
桃の余花桜の余花に濃き薄き |
中村智三 |
春の日に陶器山ほど店開き |
萩原ふみを |
あおさ踏み春の礁や風すがし |
馬場英人 |
八重桜くぐりて鳥居くぐりけり |
深谷むじゅん |
著莪咲いてかつて料亭ありしところ |
宮田公子 |
山桜名残りの花を散らしけり |
望月明子 |
静けしや桜蕊降る奥津宮 |
山下ひろ子 |
島に入り貝焼く匂い春うらら |
吉水淑浩 |
踏青や谷戸には多き石仏 |
脇坂恵三 |
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2013年3月の俳句部会
待ち遠しかった春が到来しつつある 3月13日(水)、鵠沼公民館にて定例の部会を開きました。
今月は兼題の椿・目刺の句を含め各自7句を出句、7句を互選しました。
披講のあと、本井英先生(S50文・博了)の講評を頂きました。
「作者の過去の記憶の断片をつなぎ合わせていることを句から感じとる
ことも、意義がある」というお話が印象的でした。出句、出席とも16名。
●本井先生のご投句
灯台へ行く馬の背の風椿 |
漁師から漁師に嫁して目刺干す |
この椿有楽椿に似て小さく |
惨劇のごと山頂の落椿 |
描き了へし目刺を喰らふ酒も少し |
椿愛で椿寿居士とぞ諡られし |
すつぽりと目の抜けてをる目刺かな |
●部員の代表作(50音順)
垂直に椿落ちけり石だたみ |
安部和範 |
卓袱台に目刺しのお昼母の声 |
小澤喜久子 |
一叢のつらつら椿氷室園 |
大崎洋一 |
羽衣を掛けし松とよ春の風 |
河相光子 |
目刺し噛みアベノミクスの談義かな |
上坂秀治 |
落第に味噌を練らせて酢味噌和へ |
佐藤月子 |
谷沿ひの楕円の空や春の雲 |
津田祥子 |
己が焼く目刺一連妻は留守 |
長澤 澄 |
なだらかな春の湊に屋形船 |
中村智三 |
啓蟄や実習園の乙女たち |
萩原ふみを |
白椿亡き妻想い活けにけり |
馬場英人 |
修善寺や湯ぶねの漱石思ひ馳せ |
深谷むじゅん |
この先は立入禁止藪椿 |
宮田公子 |
行儀よく並ぶ目刺しが光り居り |
望月明子 |
石庭に紅際立ちて落椿 |
山下ひろ子 |
目刺焼き麦飯食べて長寿かな |
脇坂恵三 |
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2013年2月の俳句部会
立春が過ぎたとはいえ、まだ寒さの厳しい 2月13日(水)に
部会を鵠沼公民館にて開きました。各自7句を出句、7句を選句しました。
披講のあと本井英先生(S50文・博了)から貴重なお話を伺いましたが、ことに
「変わった句を詠もうとするのではなく、実際に物を観て句を詠むことが大切である。
机上の作よりも吟行の句の方が佳いのはこれを示している』というご指摘がありました。
今月から山下ひろ子さん(S42文卒)が参加されました。
出句 17名、出席16名。
●本井先生のご投句
うららかに席の埋まりて始発駅 |
うららかや保線作業も昼休み |
山笑ふ潮はさらに笑ふなり |
春涛の崩けて後のたゞやさし |
干し上げて若布本ト末エありにけり |
右耳にずつと春涛渚行く |
老いぬれば歯なども反りてあたゝかし |
●部員の代表作(50音順)
蒼天を突く裸木の欅かな |
安部和範 |
腰超の沖まで晴れて若布干し |
小澤喜久子 |
連なりて紅の賑ひ木瓜の花 |
大崎洋一 |
梅が枝に力溜めたる蕾かな |
河相光子 |
春を待つノートエンピツランドセル |
上坂秀治 |
山迫る真闇に春の灯かな |
津田祥子 |
白黄色狭庭華やぐクロッカス |
長澤 澄 |
忘れ草燻らし湊に鳥を描く |
中村智三 |
下萌や干し竿すべて子らのもの |
萩原ふみを |
大雪になります準備いいですか |
馬場英人 |
雪降りは稠密となり垣根消ゆ |
深谷むじゅん |
「小屋」といふ海女の食堂あをさ汁 |
宮田公子 |
菜の花を生けて我が家も春めけり |
望月明子 |
ウインドーの盆梅かつてたばこ店 |
山下ひろ子 |
梅の香や鎌倉人のやぐらかな |
吉水淑浩 |
松がとれ床屋の店に水仙花 |
脇坂恵三 |
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2013年1月の俳句部会
まさに、寒の内の 1月16日(水)、1月の部会を開催しました。
10 時に片瀬江ノ島駅に集合、初詣の吟行の後、鵠沼公民館にて
初句会を開きました。それぞれ7句を出句し、7句選をし、研鑽に
励みました。
本井英先生(S50文・博了)から懇切に指導を頂きましたが、
「俳句はすっきりと詠む、リズム感があることが大切」というお話
が印象的でした。 出句・出席とも 13名。
句会終了後、新年会を開き、さらに親睦を深めました。
●本井先生のご投句
辺津宮を過ぎ探梅の心あり |
初春の貝がら絵馬も島の宮 |
島径や雪掻き了へて客待てるく |
磯海苔を摘むや飛沫が頬にはね |
磯海苔を摘むとつれだち島女 |
寒釣やふくるる潮に身じろがず |
マスクふかぶかパトカーの二人とも |
●部員の代表作(50音順)
波音のかすかに聞こゆ島の冬 |
安部和範 |
人の背の続く階段初詣で |
小澤喜久子 |
寒潮に雲間から差す陽の光 |
大崎洋一 |
奥津宮陰雪踏みて大灯籠 |
河相光子 |
手水舎の寒の水飲む島の猫 |
上坂秀治 |
冬凪にぽつと海鵜の首かたち |
津田祥子 |
鷭の浮く海を吹雪の吹き抜けつ |
中村智三 |
寒の水絞り店拭くおかみさん |
萩原ふみを |
烏帽子浮き春の訪れまだ遠く |
馬場英人 |
奥津宮淑気を放つ鏡かな |
深谷むじゅん |
飛ぶ鴎憩ふ鴎も寒の海 |
宮田公子 |
七草をきざむ手許に芹香る |
望月明子 |
初旅や富士を望みてコップ酒 |
脇坂恵三 |
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