2012年度俳句部会

 2012年12月の俳句部会

 快晴ながら寒気の厳しい 12月12日(水)、鵠沼公民館にて今月の 句会を開催しました。 兼題の「忘年会」「鰤」の句を含めて、各自7句を出句し 7句を 互選しました。 本井英先生(S50文・博了)から、いつものように懇切な指導を 戴きました。「俳句は競争ではない、うまく創ろうとする必要は ない、作者の経て来た生活が判る句をー 」という印象的なお話 をうかがいました。出句 15名、出席15名。

●本井先生のご投句
群青に紺を溶かせる鰤の潮
忘年会だけは欠かさず来る漢
鰤網に着くまでの大揺れの舟
忘年会幹事様子の良い男
糟糠の妻よ汝(なれ)とも忘年会
忘年会欠席葉書訃報にて
引き揚ぐるほどに鰤網泡立てる
  
●部員の代表作(50音順)
廃校を壊す重機に時雨くる 安部和範
留守番の夫にいつものおでん鍋 小澤喜久子
食は炊きたてご飯鰤のかま 大崎洋一
年忘れ銀座の角の大時計 河相光子
照紅葉五百羅漢に吾を探す 上坂秀治
人の良き顔した鰤の届きけり 佐藤月子
冬晴の地下鉄十三番出口 津田祥子
ボージョレの紅白軽しレジ袋 中村智三
膝くりて卓囲みたり年忘れ 萩原ふみを
海岸に乳母車あり日向ぼこ 馬場英人
半島の出湯の宿や鰤大根 深谷むじゅん
大原に近づくほどの片時雨 宮田公子
鰤漁の物見台あり能登の浜 望月明子
北陸路鰤の入りたる治部煮かな 吉水淑浩
天神の磴や社へ銀杏散る 脇坂恵三
    鵠 沼   公民館  で  句 会
    鵠 沼   公民館      で   句 会

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 2012年11月の俳句部会

 一週間まえに立冬を迎えた11月14日(水)、11月の句会を 鵠沼公民館で開催しました。 晩秋・初冬の句を各自7句づつ出句し、7句互選をしました。 本井英先生(S50文・博了)から懇切な指導を戴きながら、 いつものようになごやかな句会となりました。
 今月は、「読者に 鑑賞の楽しみを残して置くのが俳句である」というお話があり ました。 出句 14名、出席 13名。

●本井先生のご投句
花屋いまポインセチアの赤いつぱい
乾きゆく風金鈴子ゆらしては
青年の逢羨し冬日射し
小春日のけつねうろんの甘たるき
町小春生涯履かぬハイヒール
とある朝蜘蛛が囲を張らなくなりて
鳶うかぶ北風をこまかにいなしつゝ
  
●部員の代表作(50音順)
時告げる童謡鳴りて秋暮れぬ  安部和範
粧へる山の麓の瓦礫かな 小澤喜久子
もみぢして深紅の箱根美術館 大崎洋一
風吹けば音立てて散る大公孫樹 河相光子
リス走る佐助稲荷の薄紅葉 上坂秀治
ふり仰ぐ橡黄葉や空の青 津田祥子
風止みてじつと凍て蝶日溜りに 長澤 澄
氷旗大佛次郎記念館 中村智三
決勝の子へ弁当は栗ごはん 萩原ふみを
蜜柑狩り帰りのザックずつしりと 馬場英人
表参道落葉巻き上げポルシェゆく 深谷むじゅん
町中の小さき祠に柿一つ 宮田公子
母に編むモヘヤのショールはかどらず 望月明子
長寿には茸鍋だとすゝめられ 脇坂恵三
     鵠 沼     公民館       で      句       会

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 2012年10月の俳句部会

 すっかり秋となった10 月10日(水)、吟行を行いました。 10時に片瀬江ノ島駅に集合し、絶好の秋日和の中、秋の季題 を求めて江の島へ渡りました。 午後は鵠沼公民館で句会を開催、それぞれ作品を7句出し合い 7句選をしました。本井英先生(S50文・博了)からいつもの 通り親切な指導を戴きました。 出句14名、出席13名。

●本井先生のご投句
島路地は海へ筒抜け枸杞の花
海面ラの膨らみ寄する根釣かな
ヤマザキパンアリマス島は秋の風
替玉も食へて健康秋日和
秋の日にとことん焦げし島漢
岸釣にせうべんたれの釣れあがる
枸杞咲くやすでに実るも熟せるも
  
●部員の代表作(50音順)
呼び込みの声少なくて島の秋 小澤喜久子
青空に桜紅葉の万華鏡 大崎洋一
江の島は隆起せし島秋高し 上坂秀治
山ふたつただ秋茜あきあかね 佐藤月子
秋潮へ魚見亭また汐見亭 津田祥子
松籟にしかと感ずる秋の声 長澤 澄
蜆蝶三つ巴巻く石の上 中村智三
赤とんぼ湧きて群れたり山二つ 萩原ふみを
鳶の声呼び込みの声島の秋 馬場英人
秋風に抗ひ遊ぶトンビども 深谷むじゅん
波音に色を変えゆく海桐花の実 宮田公子
民宿が並ぶ路地裏秋簾 望月明子
秋風や雲を払いて富士遠し 吉水淑浩
荒波を渡る佐渡にも秋の風 脇坂恵三
    江ノ島で     吟行   鵠沼公民館      で      句 会
  鵠沼公民館で句会

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2012年9月の俳句部会

 まだまだ残暑のきびしい 9月12日(水)午後、鵠沼公民館 にて部会を開きました。今月は兼題の「露」「夜食」を含め、 各自7句を出句、7句を互選しました。
 指導を戴いている本井英先生(S50文・博了)から、作者 は”あっと思ったこと”を句にするが、読者にも同じように、 ”あっと思え” というのは難しいことだ、とう貴重なお話を伺い 勉強しました。 出席16名、投句17名でした。 

●本井先生のご投句
もう島へ渡る人なき橋夜
露の微塵のピアスにも出来ぬほど
露けしや別荘番の小屋灯り
蒼穹のなほ露けしと身めぐらす
熊笹の打たれどほしや露しぐれ
露けしや朝礼台のあたりなほ
長き夜や校正われに不向きにて
  
●部員の代表作(50音順)
ゑのころのそよぐ日影に腰下ろし 安部和範
夫の撒く水に答へし庭の萩 小澤喜久子
遊行寺へ踊りの列が途切れざる 大崎洋一
中天に刃のごとく月光る 河相光子
老妻と話しも無くて夜食かな 上坂秀治
鉛筆の音の聞こえて夜食かな 佐藤月子
牛乳を量り買ひして露の道 津田祥子
朝ぼらけ狭庭に光る露の玉 長澤 澄
夜食摂る一人の卓の広さかな 中村智三
背の丸み父似と言はれ墓洗ふ 萩原ふみを
夏空の彼方微笑む人のいて 馬場英人
箱根路や芒の先に富士黒 深谷むじゅん
島の上に広がる雲の秋めきて 宮田公子
蹲に赤き磯蟹隠れ居り 望月明子
夜食摂り時差ものかはと五輪かな 吉水淑浩
宴終り座敷に残る秋団扇 脇坂恵三
 
    鵠沼公民館      で      句 会
    鵠沼公民館       で      句 会

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2012年8月の俳句部会

 8月8日(水)午後、鵠沼公民館にて定例の部会を開きました。
 前日が立秋であり、まさに暦の上では秋ですが残暑のきびしい午後 でした。
 「立秋」は 24節気の1つであり太陽暦に基づくものです。太陰暦の 時代からこの24節気により春夏秋冬を決めていたことなど、本井英 先生(S50文・博了)から句作に参考になるお話をうかがいました。
 各自 7句を出句し 7句を選句しました。出席12名、欠席投句 2名。

●本井先生のご投句
秋来たりぬと風の橋わたるかな
揚力を楽しんゐる日傘かな
ペディキュアの赤の蓮ッ葉涼しさよ
蝉腹をちぢめるときに声高し
いましもや鳴き加はりし法師蝉
潮(ウシオ)はや秋の貌してたゝむかな
沖の帆の白さのもはや秋のもの
  
●部員の代表作(50音順)
庭先の行水遊びや新居の子 安部和範
姿見の夏服姿母に似し 小澤喜久子
香水と気付かぬ程にありにけり 大崎洋一
父の面パナマハットに麻背広 河相光子
夏蝶や墓前の花に舞ひ降りて 上坂秀治
笛の列鉦の列過ぐねぶたの夜 津田祥子
そこかしこ空蝉目立つ木立かな 長澤 澄
夕涼み金銀髪に亜麻色も 中村智三
親元へ子ら持ち寄りて夏料理 萩原ふみを
白南風の礁(いくり)に遊ぶ父子連れ 馬場英人
夏の海ガレキの丘がさえぎりて 深谷むじゅん
かなかなや一気に下る磴二千 宮田公子
梅干しや土用を過ぎて赤味増す 吉水淑浩
朝早く旅に出かける夏帽子 脇坂恵三
      鵠沼     公民館      で     句 会

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 2012年7月の俳句部会

 7月11日(水)、晴天の夏空の下、小田急・片瀬江ノ島駅に集合、 「涼し」の季語を求めて江の島へ吟行しました。 午後は鵠沼公民館にて句会、それぞれ7句出句、7句互選しました。 毎度ながら、本井英先生(S50文・博了)から懇切な講評を頂きました。
 終了後、暑気払いを開き、さらに親睦を深めました。参加、16名。

●本井先生のご投句
来る波を跳んでばかりや水着の子
蜑路地のこゝが涼しと猫臥せる
声かける男無視する水着の娘
兵燹に出会はず老いて夏潮に
申し訳けないがグラジオラス嫌ひ
涼風に出会ひすなはち背に当つる
海風が抜くる地下道涼しけれ
  
●部員の代表作(50音順)
突堤で釣する人や五月富士 安部和範
島の猫腹見せ眠る木下闇 小澤喜久子
青銅の鳥居涼しく島に入る 大崎洋一
ほろほろと合歓の花落つ辺津の宮 河相光子
梅雨晴間ヨットハーバー賑ぎわしき 上坂秀治
皐月富士青き連山引きつれて 佐藤月子
Uの字に尾を引き蝙蝠草に消ゆ 津田祥子
入り江より涼風過ぎる山ふたつ 長澤 澄
彦生えの緑鮮やか夏木立 中村智三
炎昼や一歩確かむ島の坂 萩原ふみを
あじさいの彩りまとひ島の句碑 馬場英人
ツツパリの足組む靴の白きこと 深谷むじゅん
島径に宮居に清し額の花 宮田公子
浜降りの祭も近し烏帽子岩 望月明子
藪蚊追い藪の先なる祠かな 吉水淑浩
桟橋を渡るこゝから夏の島 脇坂恵三
     江ノ島       で      吟 行     江ノ島で      吟 行
      江ノ島       で      吟行   鵠沼公民館で      句会

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 2012年6月の俳句部会

 梅雨の晴れ間の6月13日(水)、鵠沼公民館にて定例部会を開き ました。 本井英先生(S50文・博了)に指導をお願いしてから3年が過ぎ、 今月から4年目に入りました。 各自7句を出句しましたが、今月は兼題として「蝙蝠」と「茂」の 句をそれぞれ1句以上含めて詠みました。 7句を互選したあと、 本井先生からいつもの通り判り易い講評を頂きました。
16名の全 部員が出席しました。

●本井先生のご投句
隧道の通じてはをり茂中
かはほりや防空壕で犬も飼ひて
兄ちやんとみんなで迷ひ蚊喰鳥
かはほりに下校チャイムの鳴りわたり
かはほりの空には残る夕明り
競売の五百坪とや茂り合ひ
蝙蝠の門ヘルパーが入りて出て
  
●部員の代表作(50音順)
跳ぶがごと子どもの消えし薔薇の門 安部和範
枝打ちし杉の茂りや登山道 小澤喜久子
街灯のあたり飛交ふ蚊喰鳥 大崎洋一
安達太良の山脈走る青嵐 河相光子
老妻に流行聞きつつ更衣 上坂秀治
海賊の風貌をしてカヌー漕ぐ 佐藤月子
巻きつくも巻きつかるるも茂るかな 津田祥子
佇まひ良きえごの木に白き花 長澤 澄
メーデーの列が覗きけりスタジアム 中村智三
電話では済まぬ話や梅雨兆す 萩原ふみを
大磯の聖(セント)ステパノ山茂る 馬場英人
緑さす湖岸の小舟朽ちるまま 深谷むじゅん
トンネルに次ぐトンネルや朴の花 宮田公子
蝙蝠の飛び交う夕べ川の街 望月明子
山道に名もなき草木茂りをり 吉水淑浩
梅雨晴間鎌倉駈ける人力車 脇坂恵三
      鵠 沼     公民館       で     句 会

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 2012年5月の俳句部会

 すでに立夏を過ぎた 5月9日(水)、鵠沼公民館にて定例部会 を開きました。 各自 7句を出句し、7句を互選しました。披講のあと本井英先生 (S50文・博了)から懇切な講評を頂きましたが、ことに、 「句を作るときの心得は、読者が空想できる世界を残しておく こと、つまり俳句は作者と読者とが折半して鑑賞するもので ある」という、俳句の本質をうかがいました。出句および出席 ともに12名。

●本井先生のご投句
高々と風がわたれる競べ馬
六番は持でをさまりし競べ馬
神山へとどけと叫び競べ馬
つばくろの礫となりて落とすとき
品書きの細かは読めず川床の灯に
手相見の小暗がりあり川床がへり
鯉の背の深さを躑躅咲きかこみ
●部員の代表作(50音順)
葉桜を映して川の静かなる 安部和範
ひとひらが袖に留まる花吹雪 大崎洋一
夏場所や六大関の膚の張り 河相光子
山の端にスーパームーン立夏かな 上坂秀治
朝風にそよぐトレイの早苗かな 津田祥子
伽羅蕗の苦み噛みしめ杯進む 長澤 澄
シャボン玉流れ来て一つ壊れざる 中村智三
風薫る歩き仲間を点呼して 萩原ふみを
緋牡丹がぽとりと落ちる夕日かな 馬場英人
万緑や心の洞の埋ずまらず 深谷むじゅん
小判草あふれて線路伝ひなる 宮田公子
坂の町暮春の水の走る音 脇坂恵三
      鵠 沼      公民館       で     句 会

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 2012年4月の俳句部会

 各地の花だよりが聞かれる 4月11日(水)、定例部会を開きました。 運悪く、花冷・花曇・花の雨となってしまいましたが、10時に 小田急・片瀬江ノ島駅に集合し、江ノ島へ吟行しました。
 午後、鵠沼公民館にて句会を開催。それぞれ7句を出句し7句を 選句しました。 本井英先生(S50文・博了)の指導を頂き、季題と季節感、季題と 時代の変化など興味深いお話をうかがいました。 出句14名、出席13名。

●本井先生のご投句
島崖に風弛むなく俵ぐみ
花屑と言ひ捨てんには真鮮し
指を折るやうにいそぎんちゃく閉づる
磯原にコンクリ径や花の昼
島路地の奥の空キ地の桜かな
つぎつぎに爪くり出してがうなたり
客引きの声甘たるき花の磴
  
●部員の代表作(50音順)
参道のさざえ焼く香や花曇り 安部和範
父母眠る墓の馬酔木の少し咲く 小澤喜久子
紅の椿一輪島の崖 大崎洋一
桜花笙ひちりきの音ゆかし 河相光子
花冷や湯気の昇りて饅頭屋 上坂秀治
大潮の風に洗はれ山桜 佐藤月子
耕せる土ふかぶかと陽を吸ひて 津田祥子
鵜の潜(かず)き二〇フラット浮上せり 中村智三
花人となり弁当を分ち合ふ 萩原ふみを
参道にかたまりて咲く菫かな 馬場英人
山ふたつ春の嵐の駆け抜けて 深谷むじゅん
コーヒーに一息ついて花の雨 宮田公子
木道を歩く人々木の芽風 望月明子
藤沢の名もなき寺の初桜 脇坂恵三
     江ノ島       で      吟 行     江ノ島で      吟 行
  諸葛菜(大根花)   鵠沼公民館      で     句会

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 2012年3月の俳句部会

 春の寒さが残る 3月14日(水)、鵠沼公民館にて3月の 定例句会を開きました。  部員は 7句を出句し7句を互選し、本井英先生(S50文・ 博了)から講評を頂きました。質問の時間には、「自信の ある私の・・・の句を、なぜ先生は選んで下さらないので しょうか?」という、本音の発言も出て和気藹々のひと時 でした。 出句者15名、出席者14名。

●本井先生のご投句
とり出せる鋤簾ながなが蜆舟
卒業や可もなく不可は少しあり
卒業や河に沿ふなる通学路
わが母の一人老けあり卒業日
腰元のやうに随(つ)く母卒業子
猫にまで卒業証書見せてをる
競艇の音のときどき蜆舟
  
●部員の代表作(50音順)
卒業のアルバムみなの若きこと 安部和範
濃緑の葉も輝きて椿咲く 大崎洋一
梅見茶屋大正琴に人まばら 河相光子
雀荘に挨拶もして卒業す 上坂秀治
花紙のアーチをくぐり卒業す 佐藤月子
健在の「ホノルル食堂」蜆汁 津田祥子
悪童も卒業写真は神妙に 長澤 澄
雲片の碧空に消ゆ梅二輪 中村智三
夫婦とも好き嫌ひなし蜆汁 萩原ふみを
店先の黒く輝く蜆かな 馬場英人
せせらぎの底にびつしり蝌蚪の群 深谷むじゅん
集合は梅咲く里の無人駅 宮田公子
雛の軸仕舞ひ損ねて暮にけり 望月明子
店頭の蜆の笊や馴染おり 吉水淑浩
お見舞に蕾なれども梅の花 脇坂恵三
     鵠 沼     公 民      館       で      句 会

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 2012年2月の俳句部会

 立春を過ぎてもまだまだ寒さが身にしみる 2月8日(水)、 鵠沼公民館にて定例句会を開きました。  各自7句を出句し、7句を互選しました。 本井英先生(S50 文・博了)から懇切な講評を頂きました。 今回は、季重ねをする場合に強い季語と弱い季語があること、 上五を上六にした方が句意が明確になる場合があること、など 句作の上で大変参考になるお話しをうかがい勉強しました。 出句者14名、出席者13名でした。

●本井先生のご投句
白鳥のしろ曇天を翔け過ぐる
白鳥の声哀訴とも強訴とも
白鳥のはくれん色や雪の原
屋根の雪チーズの如く垂るるかな
淵ながら雪を鎧へる一つ巌
からうじて墓域とわかる深雪かな
雪の路地大道りより櫛の目に
  
●部員の代表作(50音順)
粉々の銀杏落葉や通学路 安部和範
厳寒のさねさし相模雲光る 大崎洋一
残り雪椿の葉より滑り落ち 河相光子
石に腰あずけて梅が香の中に 上坂秀治
寒木瓜や亡き人とゐし今朝の夢 佐藤月子
町川の浅き流れや残り雪 津田祥子
高空に溶けるが如く鳥帰る 長澤 澄
寒柝や乱調子から始まりぬ 中村智三
受験子の声なき帰宅迎へけり 萩原ふみを
寒空にチューリップの芽わずかなり 馬場英人
グシャグシャと子らが蹴散らす残り雪 深谷むじゅん
真ん中に閻魔大王春隣 宮田公子
従姉弟等の集ひて老母(はは)のお正月 望月明子
寺跡に風吹き迷う2月かな 脇坂恵三
   鵠沼公民館       で    句会
   鵠沼公民館     で      句会

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 2012年1月の俳句部会

 新たな歳を迎えた1月11日(水)、江の島にて初詣と吟行を 行いました。今年の干支の龍と縁が深い江島神社を参拝し、島を 巡りながら句作に励みました。
 午後、鵠沼公民館にて句会を開き、各自7句を出句し7句互選を しました。いつものように本井英先生(S50文・博了)から懇切な 指導を頂きました。 出句・出席とも15名。

●本井先生のご投句
さはられてかまはれて臘梅に猫
風のなきこと寒日和島日和
この猫が虎だつたらと日向ぼこ
学校サボつて島裏の寒凪に
一島の一福目ざす人に橋
源氏名を刻める鳥居寒の底
磯丼の見本に寒の埃かな
  
●部員の代表作(50音順)
枯蔓にまとひつかれし句碑のあり 安部和範
順ぐりに家族の替る初電話 小澤喜久子
山ふたつ波音聞きつ眠りけり 大崎洋一
寒の海岩屋へ進む白き澪(みお) 河相光子
大楠の梢(うれ)きらきらと春隣 上坂秀治
検校の碑に添ふ冬紅葉 佐藤月子
波音のやはらかき日や初句会 津田祥子
つくねんと我と同じや寒鴉 長澤 澄
ネット張る蜜柑もありて冬木立 中村智三
テラスにてフレンチトースト冬日向 萩原ふみを
ハーバーの林立マスト虎落笛 馬場英人
寒椿葉の艶々と凛々と 深谷むじゅん
御手洗の水あふれでる淑気かな 宮田公子
日向ぼこ白せきれいの遊びたり 吉水淑浩
廃業の床屋の店に松飾 脇坂恵三
   片瀬江ノ島駅  岩本楼の弁財天の絵    茅の輪くぐり  中津宮の水琴窟
    鵠沼公民館      で      句会

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