2010年度俳句部会

 2010年12月の俳句部会

 12月8日(水)午後、鵠沼公民館にて句会を開催しました。 14名の会員が投句し、本井英先生(S50年文・博了)から 懇切な講評を頂き、和気あいあいの内に今
年最後の句会を終りました。
 その後、席を改めて忘年会を開催、親睦を深めました。

●本井先生のご投句
十二月八日の海の光るのみ
江の電にトンネルひとつ冬日和
眠る山の裾をかはせば海平ら
江の島の干物屋のクリスマスツリー
マクドナルドなんど喰ひて十二月
皇帝ダイアとは頓狂や冬の晴
マンホールに藤を彫る町十二月
  
●部員の代表作(50音順)
強風の道路に落葉の降る走る 安部和範
父母憶ふ青山墓地の冬木立 小澤喜久子
夕日受けどうだんつつじ紅葉す 大崎洋一
寒月のかかれる空に大花火 河相光子
朝市のおしゃべりの息白きかな 上坂秀治
木枯しや黙して見やる部屋の隅 鈴木崇夫
時雨るゝや三年坂の夕灯し 津田祥子
十二月八日乾パンの固き噛む 萩原ふみを
冬晴れや大湧谷の黒玉子 馬場英人
鳥どもが喰い散らしける残り柿 深谷むじゅん
神の鹿の落し物踏む冬うらら 宮田公子
住職の長き説法実千両 望月明子
散る木の葉残る枯葉も風の中 吉水淑浩
秋しぐれ駅の貸傘さしつれて 脇坂恵三
   鵠沼公民館で   句会を  開催  本井先生   忘年会
  忘年会の   間も 俳句のはなしで・・・ また来年も・・・

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 2010年11月の俳句部会

 11月10日(水)10: 00 に片瀬江ノ島駅に集合、江ノ島へ吟行を しました。
 3日前が立冬であり、其処ここに冬の兆しが感じられる江ノ島を、 今回は南のヨットハーバー周辺を巡り属目吟に励みました。 午後は鵠沼公民館にて作品を披講し、本井英先生(S50年文・ 博了)からご指導を頂きました。

●本井先生のご投句
中腹に見ゆる島宮冬紅葉
龍宮を模して駅舎や冬の晴
蜑路地の簾も冬に入りにけり
島山の頂の冬晴に出し
午過ぎてけふも沖風枸杞は実に
島猫の不細工顔も冬うらら
崖下に蜑の寄せ墓冬の蝿
  
●部員の代表作(50音順)
光る海光る凍雲山二つ  安部和範
沖合に鴎が集ひ冬に入る 大崎洋一
冬日和洞が下なる延命寺 河相光子
房総が近くに見ゆる冬日和 上坂秀治
音もなく飛行機のゆく小春かな 佐藤月子
急坂を登り広がる冬の海 鈴木崇夫
冬日差ヨットクラブの壁ブルー 津田祥子
釣り宿の片戸開きて冬浅し 萩原ふみを
林立のマストに冬の静けさや 馬場英人
ゴメ集ふ冬晴の海眩しかり 深谷むじゅん
冬立ちて海に向きたる無縁墓 宮田公子
菊一輪父の遺影の若きこと 望月明子
木の葉散る雨の江ノ島ものさびし 脇坂恵三
   江ノ島   で      吟行を    開催
    江ノ島で     吟行    鵠沼公民館で    作品を披講

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 2010年10月の俳句部会

 待ち遠しかった秋の到来が感じられる 10 月13日(水)午後、 鵠沼公民館にて定例句会を開きました。 部員14名が出席、各自7句を出句し選句をしました。さらに、 本井英先生(S50年文・博了)からも選を頂き、丁寧な講評を うかがいながら、和やかに意見 交換をしました。

●本井先生のご投句
色づいて金鈴子とぞなりゐたる
川に沿ふはやゝ遠廻り秋日和
秋日傘さし大柄な婦人かな
保線夫の線路間近かの三尺寝
草原ラは沖を一望昼の虫
東屋のここにもこんな新松子
サーファーに浪は端正秋の晴
  
●部員の代表作(50音順)
靴紐を結び直せば草の花 安部和範
ちぐはぐの一日過ぎぬとろろ汁 小澤喜久子
霧晴れてキャデイの声も遠のけり 大崎洋一
江ノ電の行く方見れば秋桜 河相光子
木の実降る音を聞きつゝ山下る 上坂秀治
自然薯のステッキのごと贈られて 佐藤月子
秋風のまわしゆきけりかざぐるま 津田祥子
いくつでも木の実出てくるポッケトよ 萩原ふみを
黄金の海すれすれに飛ぶ鬼やんま 馬場英人
窓伝ふ雨を目で追ふ猫の秋 深谷むじゅん
薄紅葉七曲して山のバス 宮田公子
蔵元の創作料理秋澄めり 望月明子
甲斐路来て葡萄畑にバスの列 吉水淑浩
老妻といつまで続く墓参り 脇坂恵三
    鵠沼    公民館で     句会を      開催

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2010年9月の俳句部会

 9月8日(水)10:00 、片瀬江ノ島駅に集合し、洲鼻通りー 龍口寺ー万福寺ー小動神社と吟行しました。
 異常な残暑から解放されましたが、台風の接近により 時おり激しい雨に襲われながら、季題を見付けて句作に 励みました。
 午後、鵠沼公民館に場を移し句会を開催しました。 部員12名が参加、本井先生(S50年文・博了)から懇切な ご指導を戴きました。

●本井先生のご投句
雨中なる百日白はまだ若木
秋の雨映す鏡や写真館
ぐつしよりと濡るるにまかせ灸花
岬宮の雨の小止みの新松子
雨降れば雨をうべなひ白芙蓉
さびれつゝ洲鼻通りや花木槿
改札を出て鯊の川渡るかな
  
●部員の代表作(50音順)
秋雨に煙る江の島昼灯る 安部和範
献灯に秋雨かかる龍口寺 大崎洋一
秋草に囲まれ残る手玉石 河相光子
弁慶の腰かけ石に秋の雨 上坂秀治
寝不足の散歩に出でて鰯雲 佐藤月子
煽られて華麗に踊る葛の蔓 長澤 澄
金色のひげ題目や百日紅 萩原ふみを
大屋根を喜雨に洗はれ龍口寺 馬場英人
あれこれで事足る二人月の秋 宮田公子
海の家皆片付きて漁夫の網 望月明子
旱天の慈雨は浸みるや磴の道 吉水淑浩
汐風に吹かれて歩く浜の秋 脇坂恵三
    皆    傘を持って当日の朝焼け、天気が
変わる前触れでした
   万福寺/td>    鵠沼公民館
   鵠沼公民館    で句会    を開催   外は滝のような雨

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2010年8月の俳句部会

 暦の上では秋とはいえ、残暑の厳しい 8月11日(水)午後 鵠沼公民館にて定例句会を開きました。 14名の部員が出席し、本井英先生(S50年文・博了)の ご指導を頂いて研鑽に励みました。

●本井先生のご投句
水飯ですませて午後は俳句会
汗みどろとは何着ても着ないでも
水飯や山妻送り出してさて
敗戦忌まで連らなれる晴マーク
原爆忌落ちたといふは不正確
どんつきに聖母像立つ墓参り
掃苔やテニスコートを橋を過ぎ
  
●部員の代表作(50音順)
改札に百合の花筒無人駅 安部和範
老叔母の筆の勢い夏便り 小澤喜久子
大山の稜線さやか今朝の秋 大崎洋一
せせらぎの音を頼りに蛍狩り 河相光子
信心の濃きも薄きも迎鐘 上坂秀治
端正な顔で首振る扇風機 鈴木崇夫
いつの間に己が催す門火焚く 長澤 澄
磯採りの男くまなく日焼して 萩原ふみを
海沿ひの夜店のにほひ懐かしき 馬場英人
リハビリの歩み励ます遠郭公 深谷むじゅん
炎帝の納まり行きて宵の里 宮田公子
蜩の鳴き草臥れし夕べかな 望月明子
さて今日も言わずもがなの残暑かな 吉水淑浩
峠茶屋に客が絶えない心太 脇坂恵三
    鵠沼公民館     で     句会を     開催

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 2010年7月の俳句部会

 7月14日(水)10:00 小田急・片瀬江ノ島駅に集合し 吟行と句会を開催しました。 梅雨晴れ間の東浜へ下りて海岸線を歩き、弁天橋を渡って 江の島を散策しました。 本井英先生(S50年文・博了)にアドバイスを頂きながら 各自句作に励み、午後、鵠沼公民館にて句会を開きました。 部員14名が出席しました。

●本井先生のご投句
刺青の小さく拙き裸かな
茂りたつ島山に空あるばかり
涼風に木椅子新し海の駅
日盛の島を出る日盛の橋
一湾に浪をつめ込み大南風
島崖の蝉声をひつちぎる風
カトールズジュイエ(七月十四日)西浜東浜
  
●部員の代表作(50音順)
断崖に寄する白波夏来る 安部和範
白南風や帽子押えて橋渡 小澤喜久子
桟橋にあかつめぐさの群そぞろ 大崎洋一
波追いて追いかけられて襁褓の子 河相光子
白南風に鳶舞ひあがる山二つ 上坂秀治
噴水のむこうに海の凪ゐでをり 佐藤月子
雲高く波光りけり夏は来ぬ 鈴木崇夫
ねそべりて水着の男長きこと 津田祥子
遠き島その上に乗る雲の峰 長澤 澄
分教場ありし坂なり苔の花 萩原ふみを
緑蔭に流れる風に蟬の声 馬場英人
海風に煽れてをり砂日傘 宮田公子
塩焼きの鮎に添へたり青かえで 望月明子
暑き日の三枝の礼の親子鳩 脇坂恵三
   めずらしく     潮がひいて     歩いて    江ノ島へ渡る
    歩いて     江ノ島へ渡る   鵠沼公民館で
   句会を開催

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 2010年6月の俳句部会

 6月9日(水)午前、鵠沼公民館にて定例部会を開催し ました。 部員14名が出席、当季(夏)雑詠 7句を投句して、 本井英先生(S50年文・博了)にご指導を頂き研鑽を しました。

●本井先生のご投句
寄り合ひて噂咄の目高と
その色となりて雨中の小判草
沿線の小家々々の薔薇の庭
枇杷の実の色づいて誇らしげなる
東海道本線の立葵かな
藤沢に宿場のころも麦の秋
雀斑の泛ききしバナナ美味からん
●部員の代表作(50音順)
田植水引く日も間ぢか空の溝 安部和範
短夜や夢の中まで慌し 大崎洋一
えごの花筏作りて川下る 河相光子
網戸より入り来る風や酒旨し 上坂秀治
何処へか柳絮飛びゆく旅の果 佐藤月子
精緻なる蜘蛛の巣払う我は人 鈴木崇夫
すつきりとこの居酒屋は夏暖簾 長澤 澄
班ごとに子らおべんとう夏木立 萩原ふみを
枇杷の実も色づき始め空蒼し 馬場英人
岩陰にごろりと猫の三尺寝 深谷むじゅん
ひとときを船人となり初夏の風 宮田公子
更衣母の姿に似て来たり 望月明子
紫蘭の葉ゆっくり動く雨あがり 吉水淑浩
品書に薬味自慢の冷奴 脇坂恵三
    鵠沼公民館で    定例句会を      開催

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 2010年5月の俳句部会

 5月12日(水)定例の部会を開催しました。 小田急・江ノ島駅に集合、初夏の江の島を吟行し、午後は 鵠沼公民館にて句会を開きました。
本井英先生(S50年文・博了)に指導を頂き、13名の部員が 研鑽に励みました。

●本井先生のご投句
神門の龍宮めきて島若葉
磯原へ戻る釣人雷雨去る
けふはしもをさまる卯浪烏帽子岩
沖空を駆けわたりたりはたゝがみ
島茶屋のいまは更地に忍冬
島若葉山二つとは此処のこと
夏潮にとぢこめられて烏帽子岩
●部員の代表作(50音順)
夏落葉積もりし墓や島の道 安部和範
ゆらりゆらり風を楽しむ小判草 大崎洋一
神宿る大﨓の木に若葉燃ゆ 河相光子
海風を受け活き活きと花海桐 上坂秀治
石垣に咲く卯の花やにはか雨 鈴木崇夫
新緑の上に輪を画き鳶が舞ふ 長澤 澄
少年の指差すかなた卯浪なり 萩原ふみを
楠若葉影かさなりて風さわぐ 馬場英人
蛸せんべいパリパリ喰らひ春尽ぬ 深谷むじゅん
卯の花の咲く切通し鳶の声 宮田公子
小綬鶏に励げまされつつ歩みけり 望月明子
鐵線花石段脇の植木鉢 吉水淑浩
参道を横切る猫に初夏の風 脇坂恵三
   江ノ島駅集合      江ノ島    鵠沼公民館で     句会を開催
     鵠沼公民館     で     句会を     開催

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 2010年4月の俳句部会

 4月14日(水)部会を開催しました。 10: 00 に小田急・片瀬江ノ島駅に集合、
天候に恵まれて 花冷えの江の島を吟行しました。
午後、鵠沼公民館にて吟行の成果を競う部会を開きました。
本井英先生(S50年文・博了)に、ご指導を戴きました。

●本井先生のご投句
チューリップしどろもどろに垂れさがり
その赤の目に痛きまでチューリップ
細りゆく浦島草の綸のさき
ひきよせて青木の花と示さるる
磯鵯のよう囀るは雌ちかし
猫の夫大欠伸してまた眠る
知り尽す島の隅々草若葉
  
●部員の代表作(50音順)
紫木蓮天に向ひて揃ひ咲き 安部和範
佇めば西浜霞むみどりばし 大崎洋一
春の海うねり高きや稚児が淵 河相光子
島の猫悪相あわれ著莪の花 上坂秀治
春の波わずかに砕け浜静か 鈴木崇夫
波遠く浜辺は長く潮干かな 長澤 澄
春の海淡く描きて売る男 萩原ふみを
島陰に鯵釣り船の白きあり 馬場英人
穴を出て蛇眠り居り垣根上 深谷むじゅん
チューリップ外れそうなる花の赤 宮田公子
古き句碑彩り一つ草若葉 吉水淑浩
桟橋を渡る背中に春の風 脇坂恵三
    江ノ島駅前で     江ノ島      江ノ島     諸葛菜       浦島草
    江ノ島で     句会を      開催     打ち上げ      打ち上げ

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 2010年3月の俳句部会

 3月10日(水)午後、鵠沼公民館にて、定例句会を開催しました。
 今月は、本井英先生(S50年文・博了) ご都合によりご欠席のため、互選をした後、各自が選句について意見を述べ合い研鑽をしました

  
●部員の代表作(50音順)
思ひがけぬ人と遇ひけり春の夢 安部和範
寄せ来たる津波砕けて春の海 小澤喜久子
下萌や犬軽やかに走り来る 大崎洋一
卒業子急に伸びたる背丈かな 河相光子
不惑の娘嫁ぐ日願ひ雛飾る 上坂秀治
立止まる二人の影や春の夜半 鈴木崇夫
シャンパンのグラスに透かす雪見かな 津田祥子
赤い靴きちんと揃へ雛の客 萩原ふみを
炊き上げし飯に一匙蕗の味噌 深谷むじゅん
鉢に挿す苗札墨の匂して 宮田公子
新聞の函に入る音寒の床 吉水淑浩
強東風に帽子飛ばされ泣く童 脇坂恵三
   鵠沼公民館にて   句会を開催

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 2010年2月の俳句部会

 2月10日(水)午後、鵠沼公民館にて、本井英先生(S50年文・博了) のご指導を頂き、定例句会を開催しました。
 当日の本井先生のご投句7句と部員の代表作を紹介いたします。

●本井先生のご投句
揺れ交はしては乾きゆく若布かな
今朝干せる若布なるべし風に垂れ
干し始めて風がくすぐつたい若布
仰ぐほどに垂木うつくし塔の春
ポスターは相撲巡業浜の春
居ならびて海猫の悪相浅き春
江の電の窓に一瞬梅の宮
  
●部員の代表作(50音順)
亡妻の日記また読み返す炬燵かな 安部和範
風避けて紅鮮やかに寒椿 大崎洋一
夕には九輪咲きたる梅の花 河相光子
子規庵の木々に遊べる寒雀 上坂秀治
薄氷を割りて鉢木に水をやり 塩島淳子
雪降りて益々赤き寒椿 鈴木崇夫
枯芝の西洋館や大蘇鉄 津田祥子
絵踏み見て現世の自由慶べり 長澤 澄
帆船と手を振り合うて浅き春 萩原ふみを
漢江のきらめき鈍き黄砂かな 深谷むじゅん
お手製のこれはこれはの桜餅 宮田公子
白梅の花びらひらと目白飛ぶ 吉水淑浩
節分の豆をつまみに独り酒 脇坂恵三
   鵠沼公民館にて   句会を開催

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 2010年1月の俳句部会

 今年から、奇数月は吟行と句会、偶数月は句会のみという形式で活動を行う ことになりました。 従って、1月13日(水)の部会は、午前中に江の島を吟行し、午後は鵠沼公民館にて句会を開催しました。本井英先生(S50年文・博了)にご指導を頂きました。
 当日の皆さんの代表作を紹介します。(部員は50音順)

  
●部員の代表作(50音順)
あをさ汁飲めばぬくとや橋渡る 本井 英
寒風や店に客なし岩屋道 安部和範
三椏の冬芽ほどけて朱の色 小澤喜久子
イギリスの温室遺構冬薔薇 大崎洋一
波音を聞きつつかおる臘梅花 河相光子
句碑多き島を訪ぬる寒日和 上坂秀治
白波のずつと先なる寒の富士 佐藤月子
石楠花の冬芽ふくらむ日和かな 津田祥子
寒風を裂いて尖く鳶の声 長澤 澄
寒風に耳朶曝し島へ橋 萩原ふみを
寒の橋渡りひととき島人に 宮田公子
浚渫のショベルは遅々と冬の海 望月明子
寒の海塔より眺む青さかな 吉水淑浩
凧一つ風にくだけて東浜 脇坂恵三
     鵠沼公民館にて   句会を開催

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